(2026年1月21日 連載10日目)
皆さん、こんにちは。 中村知也です。
この連載は、私が「正解」を教えるものではなく、 私の学びを皆さんと一緒に、共有し考えていく場にしたいと思っています。
現代の日本が人口減少の道を歩んでいる中で、 「他の国はどうしているのか?」という疑問が浮かびますよね。 今日は、世界比較の1つ目として、アメリカの状況に目を向け、 移民が人口減少をどう緩衝しているのか、 そして個人主義が本能と理性にどんな影響を与えているのかを、一緒に考えてみましょう。
アメリカの合計特殊出生率(TFR)は、2025年時点で約1.6前後と、 日本(1.2前後)よりは高いものの、人口置換水準(2.1)を下回り続けています(国連人口部・米国国勢調査局データに基づく)。 しかし、アメリカの総人口は減少していません。 毎年約100万人以上の合法移民流入により、 人口を維持・増加させているのが大きな特徴です。
この移民緩衝材の仕組みは、 本能と理性のバランスに大きな影響を与えているように思われます。
アメリカでは、
- 移民の多くが高スキル層(ITエンジニア・研究者・医療従事者など)を占め、経済貢献が大きい
- ポイント制や家族呼び寄せで、2世以降の教育・統合が進みやすい
一方で、不法移民の問題も深刻です。 国境管理の難しさから、毎年数十万〜100万人規模の不法入国が発生し、 低賃金労働市場の圧迫や社会保障負担、治安への懸念を生んでいます。 合法移民と不法移民の両方が混在する中で、 「移民全体として経済的にプラスかマイナスか」という議論が続いています。
こうした環境で、本能は「子どもを産む」欲求を強く持つ一方、 理性は「移民で人口を補充できる」「自分の人生を優先できる」という安心感を受け、 出生率低下の痛みを和らげているように見えます。
ここで少し、「個人主義」という言葉について触れておきましょう。 アメリカの個人主義は、 「個人の自由・自己実現・自己責任」を最優先する価値観で、 「子どもを持つか持たないか」は、 家族や社会の期待ではなく、個人の選択として尊重されます。 これは、進化的に見ると、本能の「産む欲求」を理性で強くコントロールする形です。 「自分の人生を充実させる」ことが最優先され、 子どもを持つことが「オプション」の一つになる。
この個人主義の文化が、 本能の「産む力」を抑制しつつ、 移民で人口を維持するという、 日本とは異なるアプローチを可能にしているように感じます。
一方で、低スキル移民や不法移民の増加による賃金低下、 社会保障負担、文化的摩擦、治安の問題も指摘されており、 「移民に頼りすぎるのは長期的に持続可能か?」という疑問も生まれています。
私自身、このアメリカの例を見ると、 「日本も移民を増やせば解決するのだろうか?」 「それとも、移民に頼らず、本能と理性のバランスを国内で取り戻す方がいいのか?」 と、さまざまな思いが浮かびます。
どちらの選択も、簡単ではないように思われます。 移民は短期的に人口を支える一方で、 文化・社会保障・感情的な負担も生む可能性がある。 一方で、国内で出生率を上げるには、 今の社会システムを変える大きな努力が必要かもしれません。
この連載では、 そんな世界の違いを眺めながら、 今の日本がどういう道を選ぶべきか、 一緒に、少しずつ考えていきたいと思います。
明日(Day 11)は、 「世界比較2:欧州の福祉と文化的多様性」 についてお話しします。
今日も、少しでも心に響くところがありましたら、 ぜひご自身の思いを振り返ってみてくださいね。
中村知也 2026年1月21日 朝
#進化の罠連載 #少子化を一緒に考える #アメリカ移民 #個人主義 #本能と理性
(参考: アメリカのTFR・移民流入数は国連人口部・米国国勢調査局2025年データに基づく。 高スキル移民の経済貢献は米国商務省・移民政策研究所の報告を参考に簡易的にまとめています。不法移民の推計は米国国境警備局・移民政策研究所の最新値に基づく。)

